トランジション・タウンの概要

■トランジション・タウンの起こり

ロブ・ホプキンス

トランジション・タウンは、2005年秋、イギリス南部の小さな町トットネスで、パーマカルチャーの講師、ロブ・ホプキンスを中心に始まりました。

関心と情熱を共有する人達が集まり、立ち上げグループが結成され、映画上映会、暮らしの基本的技術再習得講座、自然エネルギープロジェクトなどを企画し、また地域通貨を発行しました。

関連団体、企業、行政などとも協働関係を築き、トランジション・タウン運動は、瞬く間に地域を巻き込むことになりました。

■トランジション・タウンの活動とは?

トランジション・タウンの活動は、市民が自らの創造力を発揮しながら、地域の底力を高めるための、実践的な提案活動です

日々の暮らし方をほんの少し変えるだけで、楽しくて豊かに、そして自由になれること

トランジション・タウンの活動は、コミュニティの中でそうした変化を作り出し、実践し、共有していくこと

そんな実践を積み重ねることで、いま暮らしている地域を、より暮らしやすく、災害に強く、誰もが参加できる場所に変えていく、草の根の活動なのです

■トランジション・タウンの活動の考え方

エネルギーや食料

心や身体の健康

気候変動や環境の変化

格差社会や、社会に参加できない人の増加

いまの社会が抱えているたくさんの困ったこと、解決しなければならない問題を、あっという間に、魔法のように解消することはできません。

でも、もし地域のコミュニティのつながりを強くしながら、みんなで考え、行動すれば、そうした問題を同時に解決できるかもしれない。それがトランジション・タウンの活動の考え方です

■トランジションとは?

トランジション(Transition)とは「移行」を意味します。何から何への移行でしょうか?

それは、エネルギーを多量に消費する脆弱な社会から、適正な量のエネルギーを使いながら、地域の人々が協力しあう柔軟にして強靱な社会、持続可能な社会への移行

エネルギーを大量に使う社会は一見、便利で快適ですが、ひとたびエネルギーの供給が止まれば、人々は生きていくことすら困難になることが予想されます。スーパーに並ぶ食料も満ちあふれる製品も、エネルギーが途絶えると、とたんに消えてしまい、なにひとつ機能しなくなる脆弱な社会なのです。

適正なものを適正な量だけ作り、大事に使い、食べ、使い終わったものは無駄なくリサイクルする。そうした社会に向かうために

地域の仲間といっしょに、

地元の資源を使ってエネルギーを作り出すこと

地域の人々が集まって菜園や田んぼを作ること

勉強会や上映会を開いて、私たちの住む社会の問題意識を共有すること

昔から伝わっていて、途切れてしまった技術を蘇らせること

お年寄りから昔の知恵を学ぶこと

いまとは違う暮らし方を見つけ出すこと

それがトランジション・タウンの活動です。

TRANSITION From oil dependency to local resilience